まーじブログ

言語学の基礎的,専門的な話や政治思想の話などを徒然なるままに.Twitter: @linguisticmerge

最近やってる研究について.

お久しぶりです.

ブログを執筆していない間は論文の執筆に追われておりました. その他にも,米国のとある大学に行ったり何だりと割に多忙な生活を送っていたため,はてなブログの存在そのものが脳内から消え去っておりました.

 

さて,最近書いた論文について少しばかりお話しさせていただきたいと思います.

今回の論文の題目は"Merge as the Activator of Metaphor and Metonymy"となっております.邦題は"メタファー及びメトニミー駆動因子としての併合"です. 

シネクドキとかいう比喩もあったら他にもいろいろあるんですが,こういうのって全部無意味だと思うんですよね. というのも,全部メタファーメトニミーのサブカテゴリーであるからです. なので私は全てをまとめてメタファーとメトニミーという二つの比喩だけを残しています. 

認知言語学ではもはや当たり前になっているメタファー理論ですが,その理論の基盤にあるものって全く説明されてないんですよね. そこがすごく嫌で(認知言語学全般に言えることですが),なにかないかなーと考え始めてから2秒くらいで思いついたのが今回の論文のテーマだったんです. 

 

もう少し踏み込んで話をすると,メタファーやメトニミーが人間言語において重要な役割を果たしていることは間違いないし,否定するつもりもない. ただ,それを可能にするメカニズムって何だと言われても説明されてきたことなんて一度もない. 認知能力ですとかいう言い方でsweep under the rug状態. せっかくいいアイデアなのに,そんないい加減な説明に基づいた理論なんて無意味になってしまうのではないかということを危惧した私は,解決策を模索しました.

そして,Mergeとメタファーの類似性に気がついたのです. さらには,ラベリングとメトニミーのそれにも. ここで,ラベリングアルゴリズムというものは全てMerge及びそれに起因する規則により生まれるものであることを考えると,つまりメタファーメトニミーもMergeによって生成されてるということになります. これを長々と英語で書いたのが今回の論文です.

Fujita(2012, 2014, 2016), Fukui(2010, 2011), Chomsky(2005a, 2005b, 2012, 2013 etc) Greenfield(1994)などが主な参考文献です.